なぜ大人の顎ニキビは繰り返す?男女別の顎ニキビの原因と、30代に向けての正しいケアをご紹介

ニキビ

同じ場所に繰り返しできる「顎ニキビ」。なかなか治らなくて、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?大人のニキビは、高校生の頃Tゾーンにできる思春期ニキビとは、原因や直し方、対策が全く異なります。今回は、大人の顎ニキビの男女別の原因と、改善方法、正しいケア方法を紹介します。

繰り返す大人の顎ニキビの原因とは?

10代の思春期には、皮脂の多いTゾーンのニキビに悩まされる方が圧倒的ですが、20歳を過ぎ、大人のニキビは、フェイスラインにできることが多々あります。中でも顎のニキビは、同じ場所に何度も繰り返しやすく、非常にやっかいです。

顎にできる大人ニキビは、性ホルモンの影響による皮脂の過剰分泌が原因の、思春期ニキビとは根本的に異なり、男女によっても原因が異なります。そこで今回は、大人の顎ニキビの原因を男女別に詳しく解説していきます。

繰り返す大人の顎ニキビの原因【女性】

女性の顎ニキビは、主に5つの原因があります。ひとつの原因だけでなく、複数の原因が絡まりあってニキビを悪化させることもあります。まずは、自分のニキビの原因は何かを、しっかりチェックしてみましょう。

原因①:皮脂の詰まり

顎は、顔の中で最も汗を分泌する汗腺が少なく、乾燥しやすいパーツです。一方で、皮脂を分泌する皮脂腺の数は多く、「皮脂は多いけど乾燥する」のが特徴です。顎ニキビは、乾燥を補うために過剰に分泌された皮脂が、毛穴に詰まって炎症を起こすことによって発症します。

原因②:乾燥

肌の代謝(ターンオーバー)が乱れ、外部刺激から守るバリア機能が低下し、肌状態が不安定になることも、大人ニキビを繰り返す根本的な原因です。

  • 細胞を作る
  • 表面に新しい細胞が出てくる
  • 古い角質が垢となって剥がれおちる

肌は、上記のような流れでターンオーバーを繰り返しながら、生まれ変わります。ターンオーバー機能は、20代をピークに衰えるため、30代以降の女性は、ターンオーバーの乱れによって、外部刺激から肌を守るバリア機能が低下し肌の乾燥に悩まされる方が急増します。

乾燥により、本来剥がれ落ちるはずの角質が表面に残り、毛穴の出口をふさぐことで、皮脂が詰まることが、大人ニキビの原因です。

原因③:ホルモンバランスの乱れ

「生理前になると顎ニキビができる」という女性も多いのではないでしょうか。これは、ホルモンバランスの変化が大きく関係しています。生理前の時期、皮脂の分泌を促進し肌の角質を厚くする、プロゲステロンというホルモンが急増することが原因です。

また、睡眠不足や不規則な生活、食事、疲労など様々な要因でホルモンバランスが乱れることにより、皮脂の分泌を盛んにする男性ホルモンが優位になることも、大人ニキビ発症の要因です。

原因④:間違ったスキンケア

大人ニキビが気になる方が、皮脂の過剰分泌が原因の、思春期ニキビ向けの洗浄力の高すぎるスキンケア化粧品を使うと、肌に必要な皮脂まで奪われてしまい、肌の乾燥を招きます。適度な皮脂は、肌の表面に皮脂膜を作って、水分を保持してくれます。

原因⑤:ストレス

ストレスがたまると、自律神経が乱れ、皮脂分泌を促進し、角質層を厚くする男性ホルモンが急増します。男性ホルモンの働きで過剰に作られた皮脂が、硬くなった肌の毛穴に詰まり、毛穴の内部で炎症することにより、ニキビができます。

また、ストレスから身体を守るため、活性酸素が過剰発生することも、ニキビの原因です。活性酸素は、細胞の代謝や免疫機能の維持に欠かせない成分ですが、過剰に発生すると、細胞を傷つけ、免疫力の低下を引き起こします。活性酸素の抑制に、炎症を抑え肌の健康を維持するビタミンCが大量に使われるので、ニキビの炎症が悪化し、皮膚の再生力も弱まります。

繰り返す大人の顎ニキビの原因【男性】

もともと皮脂量の多い男性は、女性よりニキビができやすい肌質です。男性の大人ニキビにの4つの原因を詳しく解説します。

原因①:男性ホルモンの過剰分泌

男性の大人ニキビの大きな原因は、男性ホルモンの過剰分泌です。男性ホルモンアンドロゲンは、皮脂分泌を促進し、角質層を角化(厚くする)する作用があります。男性ホルモンが過剰になると、古い角質が肌の表面に停滞し、毛穴をふさぐので、内部に皮脂がつまり、ニキビが発生するのです。

男性はもともと、女性の約2倍の皮脂量があり、ニキビができやすい体質です。加えて、大人の男性は、仕事のストレスなどでホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンの分泌が過剰になりやすい傾向です。大人ニキビが気になる方は、毎日のケアに、過剰な皮脂を優しく取り除き、ニキビの原因菌を殺菌・抑制する成分入りのアイテムを取り入れましょう。

原因②:髭剃りによる刺激

髭剃り(ひげそり)をする時、シェーバーの刃の刺激で皮膚が傷つき、外部刺激から肌を保護するバリア機能が低下することも、男性に多い大人ニキビの原因です。バリア機能の低下により、肌の代謝が乱れ、表面に残った古い角質が、毛穴をふさいでしまうからです。

髭剃りの時は、事前に肌を水で濡らし、シェービング剤を使って、刺激や摩擦から肌を保護しましょう。髭剃り後は、デリケートな肌をしっかり保湿して、肌荒れを防ぐのも重要です。また、カミソリやシェーバーの刃は、劣化すると肌への刺激が強くなり、ニキビを誘発します。定期的に新しい刃に取り替えましょう。

原因③:不規則な生活による睡眠不足

生活習慣の乱れや、仕事が多忙で、睡眠不足にはなっていませんか?睡眠不足はニキビの発症リスクを高めるので、注意が必要です。

「皮膚は眠っている間に作られる」と言われます。寝ている間に、代謝を促進する成長ホルモンが分泌され、細胞分裂を繰り返しながら、新しく生まれ変わるのです。ところが、睡眠不足が続くと、肌の代謝が滞り、古い角質がうまく剥がれ落ちず、毛穴をふさぎ、ニキビが発生しやすくなります。

原因④:食生活の乱れ

肌は、毎日の食事から摂取する栄養素から作られます。食生活の乱れによる、栄養バランスの偏りも、ニキビの原因です。

揚げ物など油っぽい食事を好む方、甘いものが好きな方、インスタント食品を多く食べる方は特に注意しましょう。脂肪や糖分は皮脂の大好物なので、大量に摂取すれば、皮脂分泌が増加し、ニキビ発生リスクが高まるためです。

◆ニキビを悪化させる食べ物と理由

食べ物 理由
チョコレート 糖分が多い商品は、皮脂の過剰分泌の要因に
揚げ物 脂質が多く皮脂のエサになる
インスタント食品 酸化した油分が多く、ニキビを誘発する
ケーキなど甘いもの 糖分を餌にして皮脂が増殖
辛い物 香辛料の刺激で胃腸に負担を与える

いずれの食べ物も、「全く食べてはいけない」のではなく、過剰摂取に注意することが大切です。野菜嫌いで、食物繊維の摂取が少なく、便秘になりがちな方も要注意です。便秘になると、本来外に排出される毒素が体内に残り、腸の栄養素の吸収が妨害されるので、ニキビができやすくなります。

顎ニキビを繰り返さないための対策方法

大人のニキビは一つの原因だけでなく、毎日の生活における、複数の原因が複雑に絡まりあって発症するため、長引きやすく、繰り返し発症しやすいのが特徴です。大人ニキビができにくい体質を目指すための、今日からすぐに取り入れられる簡単な方法を紹介します。

顎ニキビの改善方法①:保湿を念入りに行う

大人の顎ニキビは、乾燥によるバリア機能の低下が原因でできることが多いので、まずは毎日の保湿ケアを重視しましょう。保湿化粧品にはそれぞれ役割があります。

  • 化粧水・・・角質層に水分を与える
  • 乳液・・・・水分が蒸発しないように蓋をする
  • クリーム・・・潤いを肌に閉じ込める

大人ニキビができている時は、「乳液やクリームは油分が入っているから」と敬遠しがちですが、化粧水だけでは、せっかく与えた水分を肌に保つことができません。乾燥肌対策には、必ず化粧水+乳液かクリームを使ったお手入れを行いましょう。

大人のニキビ肌対応の、ニキビになりにくい処方の、油分を極力抑えた高保湿スキンケア商品も多数市販されています。ニキビが生じににくい商品かどうかをチェックする「ノンコメドジェニックテスト」実施済みの商品がおすすめです。保湿のスキンケアで肌のターンオーバーを整え、ニキビの原因となる毛穴詰まりが発生しにくい、免疫力の高い健康な肌を目指しましょう。

顎ニキビの改善方法②:正しい洗顔を行う

大人の顎ニキビの改善には、毎日習慣的に行っている洗顔を見直し、潤いを残しつつ、毛穴に詰まった余分な皮脂を取り除くことが大切です。大人ニキビ対策の洗顔料選びの注意点と、正しい洗顔手順を紹介します。

洗顔料選びの注意点

大人ニキビに悩む方が洗顔料を選ぶ時は、思春期ニキビケア用の洗浄力が強すぎる洗顔料は避けましょう。過剰な皮脂汚れはしっかり落としてくれる反面、肌に必要な皮脂や水分も洗い流してしまい、乾燥肌が悪化するリスクがあるためです。特に、スクラブ入りの洗顔料は、洗いあがりはさっぱりするものの、スクラブの刺激で肌表面が傷つき、肌が固くなり毛穴の詰まりが悪化する原因になるので避けましょう。

適度な洗浄力で、不要な皮脂だけを取り除き、炎症を起こしているニキビ肌でも使える、肌にやさしい低刺激処方の洗顔料を選びましょう。

手順①:手をよく洗う
洗顔前は、抗菌作用のあるハンドソープなどで手をよく洗い、手を清潔な状態に保ちましょう。一見きれいに見える手も、目に見えない雑菌や汚れ、油分などが付着しています。必ず手を念入りに洗ってから洗顔に入りましょう。手順②:洗顔料を良く泡立てる
洗顔料を、手に取り少量の水を加えてしっかり泡立てましょう。キメが細かく濃密な泡は、摩擦や刺激を抑えるクッション材の働きや、古い角質や汚れを吸着する働きをします。手を逆さまにしても、下に落ちないくらいしっかり泡立てましょう。手順③:肌になじませる
まずニキビが気になる顎に優しく泡をのせ、次に皮脂分泌の多い、おでこや鼻筋にやさしくなじませます。その後全体に泡をなじませます。この時、皮脂分泌の少ない目周りや、ほほは刺激を与えないよう、特にやさしくなじませましょう。

手順④:ぬるま湯ですすぐ
すすぎは、丁寧にやさしくぬるま湯をたっぷり使って行います。水道の水を1度手にためて、丁寧に泡を溶かすように流しましょう。40度前後のシャワーのお湯は、水温が高すぎて、汚れだけでなく肌に必要な潤いも流れてしまうので、避けてください。

流し忘れのないよう、泡をしっかり洗い流すことも大切です。残った洗顔成分が肌に刺激となり、ニキビの炎症を悪化させたり、成分が詰まって肌荒れが生じたりする原因になるため、すすぎは十分に行いましょう。

顎ニキビの改善方法③:規則正しい生活を送る

毎日の生活習慣を見直し、規則正しい生活を行うよう意識することも大切です。特に、新しい肌を作るために不可欠の、成長ホルモンが多く分泌される、夜10時~深夜2時の時間帯は十分な睡眠が確保できるようにしましょう。

顎ニキビの改善方法④:バランスの良い食事をとる

肌に必要な栄養素を十分に摂取するためには、1日3食、バランスの良い食事を心がけ、身体の内側から健康な肌作りをサポートしましょう。ニキビの炎症を抑えたり、肌環境を整える栄養成分を意識的に摂取したりするのも、ニキビ改善の近道です。

主なビタミン類 主な働き
タンパク質 肌の土台となる
ビタミンB2,B6 ターンオーバーを促進し、皮脂抑制や自律神経整える
ビタミンC 抗炎症作用が高いなどを積極
ビタミンE 若返りのビタミン、血行促進・肌荒れ解消、抗酸化力が高い

◆ニキビ改善におすすめの栄養素と多い食材

主なビタミン類 主な食材
たんぱく質 魚/肉/卵/大豆/乳製品/かつお節/ゼラチン
ビタミンB2 卵/納豆/レバー/うなぎ/乳製品/ほしのり/みそ
ビタミンB6 とうがらし/米/にんにく/バジル/パセリ/小麦
ビタミンC アセロラ/パセリ/ピーマン/キャベツ/キウイフルーツ
ビタミンE アーモンド/抹茶/ひまわり油/トマト/あゆ

※データー参照:文部科学省 食品成分データベース(https://fooddb.mext.go.jp/index.pl)

他にも、腸内環境を整え、老廃物の排出を促進する納豆やキムチなどの発酵食品や、炎症や活性酸素の抑制パワーが強い、アスタキチン酸が豊富な鮭もおすすめの食材です。魚中心の和食は、ビタミン豊富な野菜が豊富で、皮脂を増加させる脂質が少ないので、ニキビ改善に効果的です。ダイエットやアンチエイジングにもつながるので、美容を意識したい方は、和食中心の食生活を意識しましょう。

しこりがある、痛い、などの顎ニキビは皮膚科受診を

顎ニキビは、症状が軽いうちは、スキンケアや生活習慣の見直しなどで対応できますが、炎症がひどく痛みが強い、しこりがある、一向に治らないなどの場合は、皮膚科を受診し、適切な治療を受けましょう。炎症が進行し、皮膚の深部にまでダメージが届くと、皮膚細胞が破壊しクレーター状のニキビ跡として残るリスクがあるためです。

長引くニキビには、ホルモン異常や、婦人科系の疾患など他の病気が潜んでいる場合もあるので、注意が必要です。

まとめ

繰り返す大人の顎ニキビは、肌の乾燥や、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、など様々な要因が絡まりあって、皮脂が過剰に分泌され、毛穴が詰まることが原因です。繰り返す大人の顎ニキビに悩んでいる方は、念入りな保湿ケアと、正しい洗顔、十分な睡眠、食生活の見直しを毎日の生活に取り入れて、ニキビの悪化や新たな発生を防ぎましょう。

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